OUR CHEF

name

Masaharu Kozuma

上妻 正治

title

PÂTISSIER

unis / Chef Pâtissier

Masaharu Kozuma

CAREER

1988年生まれ。東京製菓専門学校卒業。パティスリーキャロリーヌ、エコール・クリオロで洋菓子を学ぶ。また、ジャパンケーキショーにて3度の金賞を受賞、World Chocolate Masters国内予選チョコレート部門1位、総合3位など受賞多数。現在はSocial Kitchenにてパティシエを務める。

STORY

稼げなくなっても好きで居続けられること

小学生の頃から料理をすることが好きでした。両親が共働きで夜まで帰って来ないことが多く、卵が好きで、自分でオムレツ作ったりとか料理することも好きでした。ですが、料理人でなくパティシエに興味を持ったきっかけは、バレンタインの時にチョコを貰ったのが嬉しかったことです。当時、そのくらいの年頃って、買ってきたお菓子を詰めて渡したりが多かったと思うのですが、板チョコを溶かして型に入れるという、手間の掛かっているものを貰ったことがあって、それが嬉しかったのです。そのお返しにレシピ本を見ながらクッキーを作って渡したり、クレープを作って子供会に持参したりなど、いつの間にかお菓子を作る楽しさを感じていました。

ギタリストにもなりたかったのですが、進路を考えた際、稼げなくなっても好きで居続けられる仕事は何かと考えた時に、頭の中にはパティシエしかありませんでした。お菓子を作って喜んでもらえた記憶があったし、お菓子を食べている時って笑顔で皆幸せですよね。大半の人はマイナスの空気を持ったままスイーツを食べることってないと思うので。それをクリエイションできる職業って最高ですよね。

過程を楽しむ

スキル的な意味でも、お菓子作りの難しさは今でも感じています。そこが面白いところでもあるし、パティシエをやり続けられる理由でもあります。この道で生きていくと決めて行き着く先を考えた時、当時の僕には、名前を売る・一定の経済力や地位を得るために、有名ホテルのシェフやお店のオーナーシェフになるしかない、と思っていました。

実際、お菓子が美味しく作れることとオーナーレベルになることは直結することではない、と数年で理解できたのですが。ただ頑張ればいいだけじゃないということも感じました。融資や出資者を募ってお店を作ることは頑張れば実現出来ますが、メンタル面の壁(経営的なスキル、ビジネスノウハウ、経営者としての目線)もあってどう乗り越えていくかを今模索しています。

ただ僕は、人が行動できない時は無知による不安が大きいと考えていて。解像度が高くないから不安に感じているのではないかと思っています。だから僕は解像度を高くして不安要素を潰していきたいです。

そんなことを考えながらも、僕の目標であるオーナーシェフになるまでの過程の楽しみ方を幅広くしたいと思っています。例えば、ショコラティエの道だけではなく、他のお菓子やパンを作ってみたり。その楽しみ方の一つとして取り入れたのがコンクールですね。また、Social Kitchenに在籍したのも、楽しみながら企業と繋がり、開発の案件に携わることで自分の目標に進むためです。普通はお店を出せば、運営に時間を取られるし、お店が軌道に乗らないと案件などはできないけれど、Social Kitchenだと挑戦することができます。オーナーシェフになってからでは手を出しにくいようなことを今楽しもうと思っています。

どんな時も学ぶことは必要

経営のスキルや戦略・企画の立て方などを考える力がクリアになれば後は進むしかないですよね。仮に、会社側が研修としてプログラムを用意してくれれば、シェフクラスの人は参加したいと思うはずです。実際、昨年オンラインの講義を週2回受けさせていただきましたが、非常に為になったし、会社としてこういうものを提供してもらえるのはありがたいので制度が充実していくと嬉しいですね。

感情に訴えかけたい

お店を持つのはあくまでも形としての目標です。自己表現をするためにお店を持つだけであって、美味しくて見た目も美しく綺麗なものを提供して、感情に訴えかけるようなものをクリエイションできれば、極端な話お店を持たなくても良いかなと。ただ、パティスリーのお店に入った時のワクワク感はパティスリーでしか表現できないと思うのでやはりお店は持ちたいと思っています。